くらしの植物苑2022年「伝統の朝顔」展にて(7) 変化朝顔・出物系統の親木(牡丹咲き=親牡丹)

 8月16日、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館のくらしの植物苑で開催中の「伝統の朝顔」展(8/03~9/04)を見に行ってきました。
 前回は出物系統の親木の内、一重の花が咲くものを紹介しましたが、今回は出物系統の親木で牡丹咲き品種の紹介です。変化朝顔の世界では、これを「親牡丹」と呼んでいます。
 牡丹咲きは、雄しべも雌しべも花弁に変化した状態の花のことを言い、雌しべがないため種子はできませんが、「親牡丹」ですから、雄しべや雌しべが一部残っていて、種が出来るのでしょう。

 説明は、銘、葉の特徴、花の特徴の順です。なお、品種の番号は整理のために私が付けたものです。


出物系統・親牡丹1
青/縮緬/立田葉 ・ 白/筒紅/台咲/牡丹
IMG_1639.JPG

出物系統・親牡丹2
青/林風(注)/常葉 ・ 白/丸咲/牡丹
(注)林風とは、』葉の葉脈が白いものを言うらしい
IMG_1646.JPG

出物系統・親牡丹3
青/打込/弱渦葉 ・ 青/丸咲/牡丹
IMG_1648.JPG

出物系統・親牡丹4
青/斑入/抱/常葉 ・ 淡藤鼠色/丸咲/牡丹
IMG_1909.JPG

出物系統・親牡丹5
黄/抱/蜻蛉葉 ・ 紺/吹雪/丸咲/牡丹
(名札を撮り間違えたらしい)
IMG_1919.JPG

出物系統・親牡丹6
黄/抱/蜻蛉葉 ・ 淡紅/覆輪/丸咲/牡丹
IMG_1923.JPG

出物系統・親牡丹7
青/打込/弱渦葉 ・ 青/丸咲/牡丹
IMG_1927.JPG

出物系統・親牡丹8
青/蜻蛉/丸笹葉 ・ 紅/覆輪/切咲/牡丹
IMG_1644.JPG

出物系統・親牡丹9
青/渦葉 ・ 江戸紫/丸咲/牡丹
IMG_9732.JPG

出物系統・親牡丹10
黄/打込/笹葉 ・ 紅/覆輪/切咲/牡丹
IMG_9734.JPG
 2022年8月16日撮影。

変化朝顔の名称について
 変化朝顔には特異な名称が付けられています。第一次ブーム(文化・文政期)の番付表にはその走りが見られますが、第二次ブーム(嘉永・安政期)に基本が出来上がります。それは、葉の色、模様、質+花の色、模様、花弁の形、咲き方、花弁の重ねを順番に記述し、必要に応じて付加していくというものです。
 上の、出物系統・親牡丹1の場合、次の行に「青/縮緬/立田葉・白/筒紅/台咲/牡丹」と、分りやすいように標記しましたが、実際には「青縮緬立田葉白筒紅台咲牡丹」と記述されます。青字の部分が葉についての記述、赤字の部分が花についての記述というわけです。
 (くらしの植物苑のパンフレットからの引用を含む)

変化朝顔の栽培の歴史
 朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に江戸時代以降、文化・文政期、嘉永・安政期、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、変化朝顔とよばれる、朝顔に見えないような多様な形の花と葉を持つ朝顔が創り出されてきました。特に、朝顔は一年草であるにも関わらず、種子を結ばない変異も種子によって維持してきたことは世界的に見ても特異なもので、幕末の嘉永・安政期にはきわめて多くの品種が創り出されていたようです。
 しかし、大正期以降、現在でも広く栽培されている大輪朝顔の栽培が盛んになる一方、変化朝顔の愛好家は次第に減少し、第二次世界大戦後の変化朝顔はわずか数名の愛好家によって維持される状況になりました。幸いなことに、江戸期に起源を持つ変化朝顔の変異の多くは、愛好家や研究者の努力によって現在まで維持されているのです。
 そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使してつくり上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、当苑では1999年以降、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。
 (くらしの植物苑のHPから引用)

朝顔の系統保存の歴史
 上記の「歴史」を更に詳しく説明した文書を見つけました。
 ご興味があればお読み下さい。1枚目の画像クリックでPDFが開きますから、印刷も可能です。


rekishi_1.jpg
rekishi_2.jpg


 次回は、出物(種が採れない)の品種を投稿します。
(つづく)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 95

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
かわいい かわいい かわいい

この記事へのコメント

  • river

    変化朝顔が展示されることがあってもその親木を見る機会はめったにないのではないでしょうか。親木ですからもちろん種が採れるのでしょうがすでに変化朝顔の片りんを見せていますね。これらの組み合わせで采咲き牡丹、台咲き牡丹、車咲き牡丹、獅子咲き牡丹などが生まれてくるわけですね。
    「朝顔の系統保存の歴史」、興味深く読ませていただきました。
    2022年08月25日 16:39
  •  もこ

    牡丹咲きの朝顔こんなに沢山の品種に驚きです
    2022年08月25日 16:41
  • nobara

    花だけ見たら、アサガオとは思えません。
    流石に葉っぱはアサガオだろうと見当はつきますが。
    アサガオ、こんなにも奥が深いのですね@@
    ブルーのなど、キキョウの八重のようにも見えますね。
    ビックリクリクリしました。
    名前の付け方も語彙力を感じます(^o^)丿
    2022年08月25日 16:58
  • 無名子

    こんばんは!
    牡丹咲き、ここまで来ると、朝顔? と思ってしまいます。
    朝顔として見ると違和感、
    でも他の花と思うと素敵な花と思えます。綺麗ですよね (^o^)
    2022年08月25日 19:11
  • eko

    牡丹咲きの朝顔、花だけ見るとアサガオとは思えませんが、でも素敵ですね。
    少人数の人たちの努力で残り、今日まで続いてきてよかったです。
    個人的にはブルー系の花が良いですね。
    2022年08月25日 19:55
  • 信徳

    ボタン咲き、横から見ると根元はアサガオですが正面から見ると
    ボタン、ダリアのようです。
    変わったアサガオを作出しているのですね。
    2022年08月25日 21:04
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    ここは以前から、正木、親木、出物の3種類が展示されています。ただ、展示された朝顔は、系統と名前しか表記されていません。次回からいよいよでものの紹介になりますが、この親木からこんな変化が出ましたよと、親子関係(兄弟関係)を示すような展示方法があっても良いのにと思います。
    「朝顔の系統保存の歴史」、お読みいただけましたか。ありがとうございます。
    2022年08月25日 21:55
  • 長さん

     もこさん、コメントありがとうございます。
    親牡丹が何種類もありますから、それから出来る子供も少しずつ変ったものが色々出来てきます。
    2022年08月25日 21:58
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    これらの親牡丹から、更に変化したものが色々出てくるわけですから、中にはとても変ったものが出て来る可能性があります。次回から投稿する出物の中には、これが朝顔なの?と首をかしげるものが登場しますよ。
    2022年08月25日 22:02
  • 長さん

    無名子さん、コメントありがとうございます。
    私たちの思い描く朝顔は一重の花ですから、牡丹(八重)が登場すると面食らってしまいますよね。
    次回はもっと変ったものが登場しますよ。
    2022年08月25日 22:04
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    普通の人は八重(牡丹)の朝顔を見せられたら「嘘でしょう」ときっと言われると思いますよ。
    マニア中のマニアが種を保存してくれていたお陰で、色々な朝顔が見られるのですから、ありがたいです。
    2022年08月25日 22:07
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    雄しべや雌しべが花弁に変る変化は他の植物でも起こることですが、朝顔は変化しやすい遺伝子を沢山持っているお陰で、様々な花や葉の変化を見る事が出来るわけです。いわば、想定外の変化というわけです。
    2022年08月25日 22:11
  • イッシー

    なんとも言えない魅力がありますね!
    華やかでいて、レトロモダンな雰囲気もあり。
    モダンっていうのかな~!江戸の文化はすごかったんだな~って改めて感心します。
    2022年08月25日 23:12
  • ジュン

    おはようございます
    これも朝顔なんですね
    牡丹咲きは見たことがなかったです
    歴史があり驚いています
    2022年08月26日 06:41
  • すーちん

    おはようございます
    牡丹咲
    花だけ見ていると
    アサガオとは思えませんねー
    2022年08月26日 07:53
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    江戸時代の庶民の趣味はかなりバラエティに飛んでいたようですが、園芸の分野も様々でした。変化朝顔は種さえ入手できればあまりお金がかからずに楽しめたのでしょう。
    2022年08月26日 11:27
  • 長さん

    ジュンさん、コメントありがとうございます。
    江戸時代の人たちは変化朝顔に風流を感じたのでしょうね。現代の変化朝顔は、戦後、愛好者が激減しても、昔から継続されてきた種を保存していた方がおられたお陰です。
    2022年08月26日 11:30
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    牡丹咲きは葉も朝がおらしからぬものがあり、初めて見た方は驚かれるでしょうね。
    2022年08月26日 11:32
  • ロシアンブルー

    変化朝顔の花、八重の成り立ちも珍しいですね。
    雄蕊と雌蕊が少し残って咲いたものが親木になるんですね。
    種が残らないのになぜ?と思いました。
    江戸時代から残してくださる方がいたおかげで現在見ることが
    出来、貴重ですね。
    長さんの毎日のブログ更新に元気を頂き、楽しみにしていました。今度、ウエブリブログ終了ということで考えまして、昨年より他社と併設していたブログを今後続けることにしました。いろいろ助けて頂きありがとうございました。
    これからも励みにさせていただきます。
    ありがとうございました。時々お邪魔させていただきます。
    2022年08月26日 11:45
  • 長さん

    ロシアンブルーさん、コメントありがとうございます。
    江戸時代は盛んだった変化朝顔作り、今では少ない愛好家の皆さんが栽培しておられます。朝顔の変化は遺伝学的にも重要視されているので、九州大学で研究が続けられているほか、この国立歴史民俗博物館でも保存に力を入れているわけです。
    ウェブリブログの閉鎖は昨日の記事で知りまして、早速、別ブログの方をWebリーダーに登録しました。今後はそちらにお伺いします。
    2022年08月26日 21:14