前立腺がんよ、さようならの記(1) ロボット手術から退院まで

 2022年4月の前立腺全摘手術入院について、自身の覚え書きも兼ねて、ブログに記録しておくこととします。

 2015年の集計では前立腺がんは我が国における男性罹患率第1位のがんになったそうで、中高年男性にとって一般的な疾患となったと言って良いでしょう。
 前立腺がんは進行が遅く、他に転移する確率も低いとされていますが、いずれにしろ、早期発見が必要です。もし、前立腺がんがあると分っても、現在は優秀な手術方法が発明されており、案ずることはないと思います。

 その優秀な手術方法というのが、前記事にも書いた「ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術」です。手術支援ロボットは「ダビンチXi」という装置で、私が手術を受けた千葉西総合病院にはこれが2台導入されています(全国でも複数導入の施設は少ないそうです)。この病院では、「ダビンチXi」による前立腺全摘手術は2021年に累計500件を越えたそうで、信頼に足ると判断しました。

 従来の手術は腹部を縦に切開していました。ロボット支援手術の場合、腹部に5個の穴を空けるだけ(私の場合、もう1個所、術後腹腔に溜まった液体を排出するためのパイプが入れられたので、合計6個)なので、傷が小さく、術中の出血量も少ない(私の場合、出血量は30ml)ので、術後の回復が早く、患者への負担が軽減されています。

切開創の比較(前立腺がんの場合)
手術比較_1.jpg

 手術支援ロボット「ダビンチXi」とはどんな装置なのでしょう。
 下図は、3つの装置の写真です。左から、「ペイシャントカート」「ビジョンカート」「サージョンコンソール」です。

ダビンチXi.JPG

「ペイシャントカート」
 執刀医の操作を受け、実際に手術操作を行うユニット。4本のアームを持ち、体内に挿入された鉗子で、切る・つまむ・縫うなどの手術手技を行う。
 ダビンチの鉗子は関節構造を持ち、可動域が極めて広いため、従来の内視鏡手術用鉗子では難しかった操作も出来るようになった。更に、手ブレ補正機能があり、細い血管の縫合や神経の剥離など、細かい操作もより安全かつ正確に行える。
「ビジョンカート」3D画像.JPG
 視覚情報を司るユニット。術野を照らす光を調節すると共に、内視鏡カメラの映像信号を3D映像化し、サージョンコンソールに送ります。手術は執刀医、手術助手(医師)、看護師、麻酔科医によりますが、全員が映像を見る事が出来ます。
「サージョンコンソール」 
 手術台から少し離れた場所に設置される、いわばロボットの操縦席と言えるユニット。執刀医は体内のカメラを通じて得られる3D映像を見ながら、手足を使って手術操作を行う。

 手術当日は看護師に付き添われて、歩いて手術台に乗りましたから、これらの装置があることは視認できました。

 手術フロアは大きな本館の3階全てを占め、手術ブロックは11あるそうです。1ブロックには複数の手術台があるようで、10数人分の手術が同時進行可能のようです。

 手術前日は夕食抜きで、ゆっくり効く下剤を服用。当日の朝は浣腸。8時55分、看護婦と共に手術フロアへ。入口で少し待たされ、9時10分頃手術台へ。口に全身麻酔用のマスクを着用。「麻酔が効いてきましたからね」という声を最期に意識がなくなる。

 手術台は15~20%の勾配に変わり、頭が低くなる「頭低位」という状態。2時間以上、頭が低い状態が続くので、緑内障の場合は制限がある(私の場合は、かかりつけの眼科医に紹介状が出され、手術OKとの回答あり)。

 手術は通常2時間程度だが、私の場合は前立腺が‘巨大’なので、3時間を予定された(実際は2時間45分)。当然のことながら、手術中の記憶は全くなし。手術が終了し、麻酔が切れた頃、名前を呼びかけられ、ウーとか返事をした覚えがある。また、手術台からベッドへ移されたときの振動の記憶はある。

 コロナ期間中なので、面会は一切出来ないが、手術の前後に顔を見ることは出来るとのことだが、妻には自宅待機してもらった。術後、担当医師(執刀医)から妻に「手術は成功した」との電話連絡があった。

 ベッドに寝かされ、酸素マスク(翌朝まで)と点滴(4日後の朝まで)を付けられたまま病室へ戻ったようだが、ずっと眠り続けていたので、気がついたのは午後になってからです。

 尿道にパイプが入れられ、尿はパイプを通じて無意識に排出される。通常は術後約1週間でパイプが抜かれるが、私の場合は糖尿病なので、尿道と膀胱を吸収糸で吻合した部分の治りが遅いとのことで、4月26日の外来診察日とされた。

 手術翌日の午前中、リハビリ師が来床。一緒に歩行訓練を行う(100数10歩)。午後、体温が急上昇、38℃になるも、夕方には下がり始めたので、1000歩ほど歩く。
 
 入院初日から感じていたことだが、ベッドが妙に硬く、表面に波形のクッション材が横に入れられている。これが気になって夜、よく眠れない日が続いた。このため、術日は最悪のコンディションで、体に堪えた(発熱したのはこのためか)。術後2日目に、妻にキャンプ用のエアーマットを差し入れてもらう。これで安眠できるようになった。

 術後2日目も点滴が続く。食事をしていないのに高血糖状態が続く。熱が37.3℃まで下がったので、3回合計3,200歩程度歩く訓練。来床した栄養士に、日常の食生活の実例を見せ、協力を依頼。前日とは違うリハビリ師が見習いを伴って、来床。踏み台昇降や障害物をまたぐなどの日常生活に必要な動作を一緒に行う。ガスが出ないので、夕方、腸の動きをよくする薬を処方してもらう。

 術後3日目。朝、久しぶりに顔を洗う。点滴が続くも、昼から食事が出る。毎度のことだが、極めて不味い。今日も血糖値が高いので、食前にインスリンを処方してもらう。
 新たに入院してきた患者のいびきがうるさいので、妻に耳栓を届けてもらう。歩行訓練は3回、計5,000歩程度。

 術後4日目。深夜に待望のガスが出た。10時40分頃、術後最初の排便があり、2回目も下痢状態。13時40分、担当医に腹腔ドレンパイプを抜いてもらう(かなり長いパイプだ)。血糖値は乱高下、ブドウ糖液をもらったり、インスリンを打ったりと大変。歩行訓練は3,300歩。

 術後5日目。朝の回診時に主治医が「元気そうだから、明日帰って良いよ」と言われる。実際はその2日後で、どうやら明日と明後日と言い間違えたようだ。
レッグバッグ_1.jpg 退院に備え、排尿用レッグバッグ(図参照、実際には先端がくるぶしまである)の使い方を看護師に教えてもらい、日中はそれを装着。夜は大きなバッグに変更。この日も血糖値が乱高下。

 術後6日目。術後、初めてシャワーを使う。やっと、食事が合ってきたようだ。歩行訓練は5,400歩。

 術後7日目。10時15分頃、ベッドに会計書類が届けられ、退院許可証を受領。1階の入院支援センターで支払いを済ませ、迎えに来た妻と帰宅。

 ロボット手術にかかわる入院診療費はおよそ170万円(11日入院の場合)ですが、健康保険で3割負担の場合は約51万円、1割負担で約17万円です。私の場合は高額療養費制度が適用になるので、約7.5万円です。実際の支払いは10日間入院で、約6.5万円(リネン代は別途)でした。50万円補償のがん保険に加入しているので、かなりお釣りが来ますよ(笑)。

(つづく)

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